2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

という夢を見たのさ!

「んん......」 なんだか変な夢を見ていた気がする。 食パンと、クロワッサンと、天狗寺さんが変になってる夢。 昨日私が友達になった天狗寺さんは腕が七本もなかったし鱗も生えてなかった。天使みたいにかわいかったから翼ぐらいは生えそうかもしれないけど…

日常.

ドアを開けると酔っぱらっている母親がいた. 「たぁいま~~~~、はちみつちゃ~~~んあけてくれてありがとぉ~~~~~~」 母の名前は親野欲目(おやのよめ)、私たちを女手一つで育ててくれている自慢の母だ. 私たちのことを実際よりも高く評価しちゃ…

実は、朝はパン派

「ピー――犯罪者の9割以上が食パン教信者であることをご存じですか?邪教食パン教を今すぐ抜けましょう。そして、クロワッサン教に入りましょう!朝食にはクロワッサン。さぁクロワッサン神に祈りを捧げましょう!――」 まったく...最近の宗教勧誘は留守電まで残す…

人の不幸は

家に帰ると私の大っ嫌いな姉がいた。 親野 密味( おやの みつあじ)、この人の異能はメイプル。一見私の異能とそこまで違いがないように思うかもしれないが、高専を入学から卒業までずっと主席でいるほどに異能の扱いがうまく、強さも私なんかの比じゃない…

入学式

教卓で話している先生はメガネをかけたぴっちりしたスーツ姿の先生で、いかにも厳しそうな感じだった。 「そういえばまだ私の自己紹介をしていなかったな。このクラスを受け持つことになった真皮 一(まかわ はじめ)だ。自己紹介してすぐでなんだが入学式の…

異能高専

なんと、教室の一番後ろの席の中央に今朝衝突してしまった金髪縦ロールのお嬢様っぽい人が座っていたのだ! 私はなんと声をかけようか悩みながら隣の席に座る。 「あの、先ほどは申し訳ありませんでしたわ」 「い、いえ!私こそ寝坊して急いでたのが悪かった…

初陣

「いっけなーい、遅刻遅刻☆ 私、親野八光(おやのはちみつ)どこにでもいる異能"はちみつ"をもつ高校生 高校生活初日から寝坊だなんてサイアク!!」 ドン!!! 「「いった~い、も~なによ~~」」 「こほん、ちゃんと前を見て走ってくださいまし?」 そう…

The ending of the end

「ここはどこ.....どこを見ても白....私はさっきまでちくわ砲を撃とうとしていたはず.あれは何...?」 そこには一つ人のようなものが漂っていた. 「・・・イ,・・・・ウイ」 「!?この声はウィカフ?あなたこんななんであなたが?」 「あなた,ちくわ砲を…

The beginning of the end

私は失念していた。 今私たちが取り扱っている最終兵器「ちくわ砲」はちくわのエネルギーを極限の極限まで圧縮し、ちくわの形を模した大砲から発射するというものである。この五年間、この戦いを終わらせることだけに力を注ぎ、ちくわを少し、ほんの少しずつ…

ちくわほう

ようやく終わることができる。 彼女の遺志を継ぎ聖戦を始めてから5年。 今日、ついに私たち「ちくわ解放戦線」はこの戦いに勝利することになるだろう。 黒光りする大きな筒に手を這わせ私は幸福感に包まれる。 この「ちくわ砲」によって王国軍のすべてを吹き…

俺が処理班として生きていくことを改めて決意したあの日から既に4年の年月が経った。この4年、いろんなことが起こった。処理班の仲間もみんな先に逝っちまった。 ちくわ所有者による同時ちくわテロ。しかも、レジスタンスがテロに乗じて首都の「カペラータ」…

この仕事は金払いがいい。俺のような事情がない限りこんな仕事を薄給でやりたがる奴はいないだろう。処理対象はちくわの力を得てしまったとはいえ、俺のようにもとは人間だった奴らが殆どだ。処理したやつの中に知り合いがいた、なんて奴もざらにいる。そん…

機関

耳障りなブザー音が鳴っている。 また、ちくわの力を使ったものが現れたらしい。 政府の管理下にないちくわの力を使えばそれは直ちに感知され機関によって処理される。 今までそうして何人もの奴を俺たちで処理してきた。 機関に狙われ生き残れた者はいない…

ドアを開けたらそこには.....。 「・・・と、番組の途中ですがここで速報です。現国王である、リスタニア=パ=フュルニアが今、退位されました。次期国王はご子息のチタタサマス様が就任する予定です。これより、チタタサマス様の御言葉です。」 「次期国王…

正直、ウィカフが生きていた時も私に何かを隠しているんだろうなってことは何となく感づいていた。とても長い年月というわけではないけれど彼女とは濃い時間を過ごしていたから。今思えばなぜ私はその時彼女に踏み込めなかったのだろうか、と後悔してやまな…

彼女が自殺なんてするはずない。 それもあんなメールを送って。 彼女は明朗快活な人だった。 ちくわ法の成立のせいで仕事を失った時だって時間が出来るから、 なんて笑ってたっけ。 奴のところへ急ぎながら「ちくわ」について考える。 6年前、「ちくわ」に不…

無題

そういえば、私について説明がまだだったね。 私の名前は、そうだね、今は「C」とだけ言っておくよ。私は7年ほど前にこの「チクべニア王国」にやってきたばかりでね。右も左もわからない私に優しく声をかけてくれたのがウィカフ。私の親友さ。 私とウィカフ…

無題

【〇月×日】 私の親友の死から4か月たったころ、私はちくわの中身をのぞいてしまった。すべては彼女を奪った奴の正体をつかむために。 今では常識となっている5年前に成立した「ちくわ法」。ちくわの中身をのぞくことはおろかちくわを上から見下ろすことも許…