機関
耳障りなブザー音が鳴っている。
また、ちくわの力を使ったものが現れたらしい。
政府の管理下にないちくわの力を使えばそれは直ちに感知され機関によって処理される。
今までそうして何人もの奴を俺たちで処理してきた。
機関に狙われ生き残れた者はいない。また今日も一人そこに加わるのだ。
ちくわを覗いたものを直接処理する実働部隊。そこに俺は所属している。
ちくわを覗いたものは大きな力を授かる。それもアニメや漫画のようなバカげた力だ。
そんな常識の埒外の存在を狩るために必要な力も必然大きくなる。しかしそんな大きな力を町の中で振るうことはできない。人の命もタダではないのだから。
コンパクトな力で周囲に影響を及ぼさず、スマートに人の形をした化け物を狩る。そのためには少数精鋭である必要がある。
実際に今ヘリにのって現場に向かっている部隊は五人で構成されている。
どうでもいいことを考えているうちにちくわの力が発された座標に到着した。
上空から見る限り周囲に大きな破壊痕はない。間に合ったようだ。
しかしまだ安心はできない。化け物の姿も見つからないからだ。
基本的にちくわの力を持っているものも人間と見分けがつかない。力を隠しているものに対しては対処法がないのは事実だ。
この場合は警察組織に調査を依頼して待機するしかないのが現状だ。
俺が、ちくわの力を持ったものを殺し尽くす。それが化け物になってしまった俺のできる唯一の国への貢献だから。