向、悲鳴

 焦「みんな俺の愛車に乗ってくれ!!」

 🦍「ウッ!!」

 路巳「ナイスゥ!!!」

 私たちは西恋ヶ窪君の車にのって悲鳴の方に向かった。

 

 路巳「にっしーはいつからこれに乗ってるの?」

 焦「免許取ったその年だから2年前からだな。そうした、いいだろうこの車。イケてるだろ。こんな変な世界になっていなかったらじっくり見てほしかったよ。こいつの、ドシタンハ・ナシキコcarの曲線美。ほんとにかっこいいんだぜ。」

 路巳「にっしーってこの子の話になるとキャラ変わるよね。」

 焦「そんなことはない。って、おい!あれを見ろ」

 

 西恋ヶ窪君に言われ向いた先では、凄惨な光景が広がっていた。腹部を貫かれた死体。左足を失っている男。ただ目の前の光景に唖然とし、固まっている男。食パンを目の前に倒れている男。ここで倒れている男は今にも食パンに食されてしまいそうになっている。

 

 路巳「にっしー車とめt」

 路巳ちゃんがそう言い終わる前に何かが飛び出していき、食パンを殴り倒した。

 🦍「うほほい!(猩猩!)」 

 八「猩猩くん!??」


 飛び出していったのはあの寡黙な猩猩君だった。猩猩君は食パンを殴り倒すや否や、その耳にかぶりつき嚙み千切った。その姿は獣そのものだった。

 

 八「猩猩君って霧を発生させる異能だったんじゃないの!??」

 🦍「いや、あれは異能なんか使っていない。ありのままの猩猩だ。」

 八「ありのままって......。って今普通にしゃべったよね」

 🦍「ウホウホ」

 

 

 

しまっ...

「奴の気を引いて攻撃をかわし続けて助けを待つしか無い!!」

「うおぉぉぉ<回避>ダイスローーール!!」

1d100->12(成功)

「もう一発」

1d100->03(大成功)

「どりゃーーー」

1d100->24(成功)

「そいやーーー」

1d100->02(大成功)

 

「まだまだ!!」

1d100->33(成功)

 

「KP...なんて豪運なんだ...DEX敏捷性もすごい...」

 

食パンの攻撃を次々にかわしていくKP。しかし、食パンは狙いを手負いのBに変える。

 

「<かばう>は自動成功だ。そして、<回避>!!」

1d100 ->34(成功)

 

「異能いかさまダイスダイスマスター...とでも言っておこうかな。お前ごときの攻撃当たる気がしないな」 

 ――上面に0~4、下面に5~9が書かれた10面体の歪なダイスを用いることにより10の位、1の位を4以下に固定していたのである。長年のKPの経験によりこの程度のダイス操作なら彼にとっては容易なことであった。このいかさまと脅威のDEX17により<回避>の失敗は40,41,42,43,44以外発生しなくなっていた。――

 

攻撃先を変更することに意味が無いことが分かると食パンは再び狙いをKPへと変更した。

「無駄だっ!!」

1d100->22(成功)

1d100->11(成功)

1d100->03(大成功)

「3以下の値中心に出せるようになってきたな。」

「行ける...行けるぞ!!」

「攻勢に出るぞ!!<拳>!」

1d100->02(大成功)

「回避不可だ」

1d3->2

「チッ反撃してくるか...<回避>!」

1d100->00(致命的失敗)

――失敗は発生しないが、致命的失敗は発生しうる。00は100として扱うためである。確率は1/25通常の致命的失敗よりもやや発生しにくい程度である。――

「しまっ...」

コンフレ(ココフレ)

 八光「というわけでココフレ異本探索だね!!!」

 焦「ちがうぞ、コンフレ異本だぞ」

 路巳「どっちでもいいじゃない」

 ウホッ「剛理羅」

 猩猩「……」

 

 剛理羅君の家に行ってからどうも猩猩君の様子がおかしい。普段から無口な子だけど今は今まで以上に無口だ。何を考えているかわからない怖さすらある。

 

 正直パパ剛理さんの話を聞いても私はよくわからなかったけれど、この現状を変えるために私たちにできることがあるのならなんだってやりたいと思っている。

 

 八「じゃあとりあえずどうする?なんの当てもないけど」

 焦「ノープランかよ。知ってたけど。」

 剛理羅「とりあえずコーンフレーク派について調べてみないか?うちの書物の捜索は父さんがやってくれてるはずだし。」

 八「おkk…今誰が喋ってた?」

 🦍「ウホッ」

 

 うーん、まあいっか!!!

 

 さっきのゴリパパの言ってたことを思い出してみる。その異本とやらの手掛かりはコーンフレーク派の作ったものであること、そして「名もなき竜ティマイオス」のフレーズのみ。これが何かの合言葉なのか、それとも異本の名前がそれなのか、全くヒントはないけれどとにかくやってみるしかない。

 

 八「とりあえず図書館にでも」

 

 うわぁぁぁぁぁ!!いてぇええええ!!

 

 どこからか悲鳴が聞こえてくる。近くはないが遠くもない。しかも今逃げているいうよりは現在進行形で実害を被っているように聞こえる。悠長に助けに向かったら間違いなく手遅れになるだろう。

 

 八「みんな、もうしわけないけd」

 路巳「今悲鳴聞こえたわよね?」

 🦍「ウホ」

 焦「急いで向かうぞ!!」

 

 私はいい友達を持ったみたいだ。

 

 

次回、名もなき竜ティマイオス

4人が戻るとそこには見るも無惨なDの亡骸が転がっていた。腹部は貫かれ内臓が露出し、顔面は半分食い破られていた。

「ウッ…。ちょっと…。」

Aが口をおさえて物陰に入っていった。

「ひでぇ…。」

Cも口をおさえて言う。
「おい!A!お前が応急手当しなかったらどうするんだよ!」

Bが叫ぶ。

「もう無理だ…。応急手当なんかじゃ直しきれないよ…。」

KPがうつむきながら言う。

 

皆が凄惨な現状に呆然自失としているときBが気づいた。

「おい…。Dをこんなにしたやつはまだ近くにいるんじゃないのか?」

BとC,KPの間に緊張が走る。

「うわぁ!!!」

物陰のほうからAの悲鳴が聞こえてきた。

「まずいぞ!」

Bは間髪入れずにAの方に駆け出した。

そこには口の周りを人間の血で赤く染めAに襲い掛かろうとする食パンと腰を抜かし地面にしりもちをついたAがいた。

「急げ!ダイスだ!キック技能を振るぞ!」

Bが足を食パンの方に突き出し叫ぶ。

「おおおおおお!!!!!」

Bのケンカキックが食パンの方へ飛んでいく。

「任せろ!ダイスロオオール!!!」

KPがダイスを振る。

 

1d100->4 (致命的失敗)

「あっ」

「えっ」

バクン!

Bの足が食われた。

「うわぁぁぁぁぁ!!いてぇええええ!!」

Bが足を食パンに食われながらのたうちまわる。

「ひぃっ!!」

Cが遅れてやってくる。

「あぁ…。あああぁあ…。」

Aは呆然としている。

「我を失っている場合じゃないぞ!Bを助けるんだ!」

KPが叫ぶ。しかし、AとCは動かない。

「くそっ!」

KPはあたりを見渡し太い棒を手にとり食パンに殴りかかった。

「はなせぇ!」

すると、食パンはBを離し視線をこっちに向けた。

Bの足はぐちゃぐちゃになっていた。おそらくBを連れてここから逃げることは不可能だろう。

食パンと向かい合いながらKPは決断を下した。

大戦

剛理羅の父の話したことをまとめると、こうだった。

200年前の大戦を終結させるためにバナナ派はバナナノミコン、コーンフレーク派はコンフレ異本を開発した。
この2冊の魔導書あるいは異能書と呼ばれる兵器に力により対戦は終結した。

バナナノミコン、ココフレ異本は現存しており、バナナノミコンは西野家が保管しておりココフレ異本の所有者は不明。

バナナノミコンは世界をつなぐ力を持っており、大戦時は高次宇宙から"力"を持つ存在をこの世界に引きずり下ろし破壊を顕現させた。

コンフレ異本はバナナノミコンの力に対抗し対戦を終結に導いたが詳細は不明。

つまり、バナナノミコンが持つ力が現在この世界へフランスパンの怪物を呼び寄せることに使用されていると考えられ、それを止めるにはコンフレ異本が必要だということだ。

そして私たちでコンフレ異本を探してほしいと、そう頼まれた。

ちょっと信じられない話だ。
そもそも私たちはまだ高専に入ったばかりのちょっと前まで中学生だっただけの子供の集団だ。
そんな集団に世界の趨勢を決めるような任務を請け負えるほどの実力や経験があるとは思えない。
もちろん私たちだけでなくいろいろな人、組織に依頼されるのだろうが一番槍を任されるなんて。

 特に私のゴリラの周りに霧を発生させる能力が何かの役に立つとは思えない。

剛理羅の父は何を考えているんだ......

洗礼

どういうことだよ,俺らはいつもの面々で遊んでただけなのによぉ,いきなりあの女が現れて,あいつの腕がちぎれて..ウッ..思い出しただけで吐き気が,にしてもここはどこなんだ,衝撃でつい逃げてきちまった.みんなはどこだ,やばい,迷子だ.だれか,だれかいないのか,なんか動いてる,人じゃないのか!!よし,とりあえずここはどこか聞いてみるか.

「あのぉ,すみません,ここはどこですか」

「何だお前!!逃げろ!!!!」

「え,逃げるって一体....てうわあ!!パパパパパ,パン!??」

「誰か知らんが逃げろ!!俺ももう限界だ..危ない!!」

いきなり僕ははねのけられ,今の今まで話していた男から赤い血が飛沫を上がる.

「うわぁぁぁああ!!!だれかっ!!!だれかぁぁあああっ!!!」

だれか助けてくれぇぇぇぇぇえ

 

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「そういえばDはどこだ?」

「あっ,本当だ,俺ら4人しかいねぇ!!」

「ウホね」

「KP!お前の力でどうにか見つけられないのか?」

「がんばれば,もしかしたらもしかするかもしれんけど,ちょっと,さっき,NPC,追加したするだけで,なんかすごい,,疲れて,少し待ってくれ.」

「すごい疲れてるウホね」

「なんかわからないけど,えげつない疲労感が襲ってきてるんだ.KPの力使うのはあんまりしたくないな」

「ウホウホウホ死んだわあいつ.」

 

<うわぁぁぁああ!!!だれかっ!!!だれかぁぁあああっ!!!

 

「ウホの声,Dじゃないか?」

「あっちの方だ行ってみよう!BはここでKPといてやってくれ」

「わかった,気をつけて」

「いくぞA」「ウホ」

実は、ダイスはイカサマ派

「と、とりあえずアイデアロールだ」

1d100->23(成功)
1d100->30(成功)
1d100->48(失敗)

 

「技能値とかは使ってたキャラと一緒か...」

「じゃあ、KPは能力が存在しないのか...?」

「ばなな」

 

「なるほど。じゃあ、それぞれの能力はこんな感じか」

 

A

STR(筋力):7
CON(体力):12
POW(精神力):9
DEX(敏捷性):12
APP(外見):10
SIZ(体格):16
INT(知性):14
EDU(教育):20

SAN(正気度):45->40
幸運:45
イデア:70
知識:99
耐久力:14
マジックポイント:9
ダメージボーナス:0 

職業:学生

職業技能
図書館 85 他言語(英語) 71 他言語(ゴリラ) 71 応急手当 65 
キック 50 歴史 46 生物学 47 変装 50

趣味技能
乗馬 75 オカルト 75

異能:???
常時<変装>に+50、<信用><言いくるめ>に-25のボーナス

B

STR(筋力):7
CON(体力):11
POW(精神力):8
DEX(敏捷性):14
APP(外見):7
SIZ(体格):13
INT(知性):13
EDU(教育):9

SAN(正気度):40->17
幸運:40
イデア:65
知識:45
耐久力:12
マジックポイント:8
ダメージボーナス:0

職業:学生

職業技能
図書館 55 他言語(英語) 61 応急手当 45 キック 50 日本刀65

趣味技能
乗馬 75 鍵開け61

異能:???
蜂蜜製の道具を作り出せる(ただし1時間に1つまで。武器の場合-1d3のdb)。

C

STR(筋力):11
CON(体力):13
POW(精神力):13
DEX(敏捷性):8
APP(外見):13
SIZ(体格):13
INT(知性):8
EDU(教育):10

SAN(正気度):65->43
幸運:65
イデア:40
知識:50
耐久力:13->?
マジックポイント:13
ダメージボーナス:0

学生

職業技能
他言語(人間)85 登攀80 頭突き76 隠す50

趣味技能
乗馬85

異能:???
特定の対象に限り、<隠す>に+50のボーナス。

 

「...趣味技能が酷いな...」

「まさかこんなことになるなんて思っていなかったから...」

「面白いよな『ばんえい娘』」

「PCたちはどうなっているんだ?」

「さぁね」

 

「そういえばKPは何ができるんだ?」

「KP裁量でダイスを振ることはできていたよな」

「もしかしたらある程度この世界のルールに干渉できるのかもしれないな...うん?この冊子は......シナリオか...いや、俺の知ってるシナリオから大分改変されているな。まさに今の状況そのものになっている」

「それによると今すべきことはなんなんだ?」

「残念ながらBAD END直行ルートに入ってるな...」

「そ...そんな...」

「この先どうなるんだ?」

「明後日にも巨大なパンたちの戦いに巻き込まれて死んでしまうらしい」

「それまでにどうにかしなきゃならんのか...」

「悪あがきをしてみるか...」

「なにをするんだ」

「とりあえずNPCを追加してみよう」

「名前は...そうだな、目有めあり すー 異能は機械仕掛けからでてくる神デウス・エクス・マキナとでもしておくか」

数分後

「こんなもんか。こいつをパン共にぶつけて....」

さらに数分後

NPCの追加には成功したようだ。なぜだか分かる...後はどこまでシナリオに干渉できるか...」

「これで助かる...のか?」

 

「あった!!」

「なにがだ?」

「机だよ。ダイス振る用の」

「いらないだろうそんなもの...」

「いや、あいつが置いていったのは10面ダイスなんだ。20面じゃない」

「それがどうかしたのか?」

「○☆戯☆○で見たんだ。10面なら出したい目が出せる」

「なるほど」