ドアを開けたらそこには.....。

 「・・・と、番組の途中ですがここで速報です。現国王である、リスタニア=パ=フュルニアが今、退位されました。次期国王はご子息のチタタサマス様が就任する予定です。これより、チタタサマス様の御言葉です。」

 

 「次期国王に就任した、チタタサマス=デ=フュルニアだ。今この国は先代の努力と、君たち民の協力によりここまで繁栄することができた。しかし、我はこんなところで満足はしておらぬ。ゆくゆくはこの大陸。ラパパを統一したい。愛しの民たちよ、ぜひ力を貸してほしい。」

 

 大きな歓声と拍手が入り混じる。それもそうだ。国王の交代なんて人生でそう何度も見るようなものじゃない。

 それがあのチタタサマスとなればなおさらだ。あいつは以前から先代のリスタニアの政治に手を貸し、他国との外交を支えている。あいつがいなければこの国はここまで繁栄することはなかっただろうと国民の中で噂されるほどだ。王族であるのに時々街に出ては国民とのコミュニケーションをとっていたこともあったからな。この国のあほどもはあいつのことを好きで仕方ないやつらばかりだろう。

 

 しかし、俺はそんなあいつのことが気に食わない。