真皮
雑魚の片付けは終わった。
「さてと…」
俺は防弾スーツを着なおし奥へと進む。
この能力は”リスクを負う”という特性のためいちいち装備を付けなおさないといけないのが結構めんどくさい。かっこよく脱ぎ捨てたんだからそのままで行かせろよって昔は何度も思っていたが、ある程度年を取るとそんなことも思わなくなってくる。これが大人になるってことなんだろうか。
パン一が最強だと思っていたあのころと比べればいろいろな意味で大人になってしまった自分を嘆きながら天狗寺の居場所を探る。今の所は防弾チョッキだけでカタがつけられる敵だけだから自分への負担はそこまで大きくない。よっぽどの不意打ちじゃない限り防弾スーツの仕事は無いしな。躱すなんて造作もない。
後ろからパスンッと音がした
「思ってたそばから不意打ちかよ」
どうやら簡単な仕事ではなさそうだ。
「お前は天狗寺側か?クロワッサンか?」
問いかけるが返事はこない。
まあいいか。すくなくとも味方ではなさそうだ。
「悪いが邪魔するなら力ずくでぶっ飛ばさせてもらうぞ」
時間が惜しい。俺は最初から防弾スーツを脱ぎ捨て男に向かっていった。
が
???「久しいな」
その声を聴いて俺は動きを止めてしまった。