侵略
‐‐‐‐世界がフランスパンに包まれた直後、食パン教支部----
「なんだ!なにが起きた!」
突如、支部を轟音と衝撃が襲う。部屋のドアが開き信徒が取り乱した様子で入ってくる。
「報告です!突如上空に謎の亀裂が!さらに、その中からフランスパンのような怪物が突如出現!支部のすぐ前にも来ています!」
さらに、信徒が部屋に入ってくる。
「報告です!怪物が支部内に侵入!信徒が対応に当たっていますが歯が立ちません!」
一体何が起きているのか支部長は全くわけがわからなかった。その時、されに支部内に轟音が響き渡る。
(何が起きているか全くわからないがとにかくよくないことが分かっているのは確かだ…。)
「お前たちは信徒たちを支部外へと避難させろ!」
支部長は信徒たちにそう指示した。
「はっ!支部長様は…!?」
「怪物の元に向かう!フランスパンの怪物など食パン教への冒涜も甚だしい!」
「はっ!お気をつけて!」
(フランスパンの怪物だと!?フランスパン教の者の異能か?しかし、そんな異能聞いたこともない…。)
「ッ…!!」
支部長が怪物のもとに向かうため廊下を進んでいると突如目の前に穴が開き怪物が現れた。
「ォォォ…。」
「現れたな怪物め!我が名は、赤井 一悟!行くぞ!」
支部長の周りにイチゴジャムとバターの塗られた食パンが現れ浮かび上がる。
赤井の掛け声と共に食パンが怪物に襲い掛かる。そして、着弾。その瞬間化け物は爆発した。
「イチゴジャムの発火性とバターの油分により爆発を引き起こす。それが
あたりにフランスパンの焼かれた香りが漂う中、赤井が怪物に背を向け自分の部屋に戻ろうとする。
「ォォォ…。」
「何…!?俺の攻撃を食らってまだ動く…だと!?」
爆発の煙の中から怪物のこぶしが飛んでくる。
「くそっ!
赤井の前に6枚切りの食パンが現れ拳を防ぐ。
「なん…だ!?この…パワーは!?」
怪物の拳が食パンを貫き赤井の体を捉える。
「ぐあっ!?」
赤井の体が真後ろに吹き飛ぶ。
「ォォォ…。」
怪物はズシンズシンと足音を立て赤井に迫っていく。
「あばらがやられたか…。はぁはぁ…。」
ボロボロの体で何とか体を起こす。
「お前は…。跡形も…。残さん…!」
赤井は手のひらの側面を合わせ叫んだ。
「
赤井の周りにイチゴジャムの塗られた無数の食パンが現れる。赤井は開いていた手を合わせる。
「
四角い形の食パンがジャムの塗られている面を内側にして三角に折りたたまれる。
「撃てぇ!!!!」
無数の食パンが怪物に向かって放たれる。怪物の体は燃え上がりすぐに炎で見えなくなる。その攻撃は5分間にわたり続いた。
「やったか?」
炎が次第に収まる。
「ォォォ…!」
怪物は表面は焼け焦げていたもののその活動は依然変わらず続いている。
怪物は赤井を見て拳を振り上げる。
「化け…も…のが…」
ズドンと拳が振り下ろされる。
「ォォォ…。」
怪物は何もなかったかのように支部内を進み破壊していくそのあとにはイチゴジャムのような鮮血が広がっていた。
5299年4月19日食パン教第一支部壊滅。