実は、昼もバナナ派

そこにあった名状しがたき日誌のようなものたちは、焼きバナナやチョコバナナなど冒涜的なバナナ料理について書かれた手書きのレシピノートと、200年以上前に存在した、コーンフレーク派とバナナ派双方に甚大な被害を与えたとされる「גוֹרִילָה」と呼ばれていた存在についてのレポート、そして...

 

ウホッ(そこから先はあまり覚えていない。しかし、これが夢などでなかった事は確かだ。
その日見つけた名状しがたき日誌のようなものたちに紛れていたバナナの皮で装丁された一冊の本『バナナノミコン』。これが今、俺の自宅の本棚にある。これは、アブドゥル=バナアナードという人物(?)によって400年以上前に記されたもので、現在では失われてしまった「魔術」と呼ばれるものについて記されている。
解読が1/5程しかできていないため、詳しくは分からないが、「גוֹרִילָה」という存在の召喚や、「אורז」や「לחם」といった邪神の撃退方法、「ארוחת בוקר」という儀式について.........)

 

「おい、剛理羅。大丈夫か?」

「ウホッ(ああ、ちょっと考え事をしていただけだ。そういえば俺、防弾・防刃チョッキ着てたんだが気が付いていたか?)」

「は?防刃チョッキ着てたのかよ...」

「ウホ...(すまないな。てっきり気がついているものだと...。どうやらニシゴリラが見につけていて不自然なものは隠蔽されるようだな。)」

「ウホ?(それより、八光の様子はどうだ?)」

「まだ目は覚めないみたい。先生たちが言うには親野ちゃんに異能によって作られた蟲みたいなのがくっついてたって」

 

八光が急に暴れ始め、鎮圧されてから7時間。未だに八光の意識は戻っていない。